No.25 森田直子 「泡」 F40
抽象絵画と私 「抽象画」とは、辞書には”対象の写真的再現ではなく、事物の本質や心象を点・線・色などで表現しようとする絵画”と記してあります。 私が抽象画を描きたくなった動機は、おそらく2005年の春、京都で個展をした後からと記憶しています。そのとき、私に絵を描くために与えられたものは何かと考えました。描く技術でも色彩感覚でもなく、”苦しみ”であったと思えたのです。この苦しみを通して、初めて自分の無力さを知り、弱さを知りました。そして、私は新たな自己認識と自己受容の可能性を探るために抽象画の世界に入っていたのです。 |