![]() | 20周年記念画集
20周年に寄せて 講師 山田正人 |
ひまわり会20周年、おめでとうございます。 20年という年月の持つ意味と、その重さは若輩の私には計り知れないものがあります。そして時を越えて、なお意気盛んな制作意欲と、活発な活動には心から敬意を表したいと思います。 一昨年より講師に参加させていただいてからというもの、温かく励ましを受けながら、実に貴重な経験をさせていただくことができました。この、緩やかにして、親密な連帯の輪の中に入れていただいたことは、今の私にとってかけがえのない大切なことでもあります。何よりも啓発されるのは、まさに十人十色の創作意欲です。目的や動機は様々にして、その目指すものも会員それぞれですが、そこには常に一歩先の自分を探す眼差しが感じられます。その視線こそが、まさにひとりの作家が自らの作品を築き上げようとする態度そのものであるということです。数多くある公民館活動やサークル活動と、ひまわり会が大きく異なるのは、ここが単なる同好の士の寄り合いではなく、自立した作家たちの集いであるという点にあると思います。このことからも、このような会に成長した20年という期間が、ひまわり会にとって、いかに充実した時間であったかを思い知ることができます。
芸術とは、与えられるものではないと思います。それは本来、すべての人間の内に在るものだと私は考えます。創作活動とは、無から有を生み出すのではなく、自らを発見し、表現することに他なりません。この、本来万人に備わった困難を伴う喜びが、しかし、誰の身の上にも訪れるというわけでもないのが現実です。様々な事情や、不得手だと勝手に決め込んでしまうことで、芸術は生活の中から遠ざかってしまいます。「わからない」と思いこむことも弊害になってしまいます。芸術とは職業ではなく、また一部の人間にのみ与えられた特権でもありません。それぞれの人生に、それぞれの芸術があっていい。「油絵ひまわり会」に集まった会員は、この得難い、芸術というたぐいまれな経験と、喜びに出会った幸運な人々です。さらに、その幸運をより確かなものにするために歩み続けたことは、ひとりひとりの人生に重ね合わせて考えるに、実に感慨深いものがあります。 |
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